今の電気代と比べて、太陽光発電システムはいくらなら元がとれる?

太陽光発電システムというと、持ち家がある人だけの選択肢という気がしますが、一般の住宅で導入が当たり前になっていけば、自家発電設備のついた集合住宅もそのうち当たり前になるかもしれません。現在、新築住宅の4割が太陽光発電システムを導入しており、既築住宅でも導入数では新築を上回ります。2014年3月時点で、120万を超える世帯が太陽光パネルを設置しています。

SolarApt

現在でも、一人用の小さな太陽光パネルと中古の業務用蓄電池で、プチ自家発電生活を送るアパート住まいの人もいます。1990年ごろにエアコンが付いた賃貸マンションが当たり前になったように、自家発電装置が付いた物件が当たり前になる日もそう遠くないかもしれません。太陽電池は軽量化や柔軟化とともに、コストダウンが進んでいます。

いま支払っている電気代を元に、今後も同じレベルの電気料金を支払い続けるとすると、今後10年、20年でどれくらいの出費になるのでしょうか。(実際には、電力会社の搾取構造は変わっておらず、電力自由化後も長期では電気料金は増加が予想され、数年後に2倍になるとも言われます。)

世帯人数別の電気料金(2015年のデータを元に単純積算)
※単身勤労世帯や共働きの2~3人世帯では、若干この平均値より少なくなります。
また、男性単身世帯の場合、34k歳以下は月額3000円以下で、高齢世帯の約半分です。

「一般的な家庭の1年間の消費電力」は5,156kWh4人家族ならざっと5,500kWh。つまり「一般的な家庭」というのはちょうど3~4人世帯を想定していると考えられます。

1世帯の1ヶ月あたりの電力使用量は次の通り、実は3.11の2年後である2013年から下がっています。省エネ化が進んでいるのです。

2012年:月平均450.2kWh
2013年:月平均441.2kWh
2014年:月平均428.2kWh

電気料金は1kWhあたり22~26円ですので、上の電気料金をだいたいこの単価で割れば、各世帯の年間の電力消費量の概算がわかります。電力会社からの請求書に書かれているkWh数や料金から平均値との比較もできますね。

ちなみに、家電の電力消費率は、大きい順に、
冷蔵庫14.2%照明機器13.4%テレビ8.9%エアコン7.4%…となります。
空調に古いエアコンのみを使用している場合は、エアコンの電力消費量が20%を超えてトップになったりもします(2010年までの約10年の間に省エネ率が倍増し、エアコンの電力消費量は4割以上減りました)。照明はLED電球・電灯の普及によって、この半分以下に減るでしょう。

月の電力消費量が10kWh未満の一般的な家庭の発電の場合、太陽光パネルでの平均的発電量4.7kWhです。これは、実際に使用する電力量屋根の大きさ・形状太陽光パネル(太陽電池モジュール)の性能やコストなどから選ばれる発電容量の1世帯当たりの平均値です。これは売電が主流のときに導入されたモデルですが、蓄電池に蓄える場合でもこれくらいあれば余裕でエネルギー自給できます。

4.7kWhの発電量であれば、場所にもよりますが、太平洋側の平均的な日照時間の土地では、年間5,800kWhの発電が可能です。これを貯めてすべて使えるのであれば、これまでどおりの生活でも電気は十分足りることになります。(実際には、平均で69%が売電に回されていますが、売電比率は世帯によって大きく異なります。★こちらのサイトで郵便番号を入れてチェックできます→太陽光発電シミュレーション

2016年時点での1kWhあたりの太陽光発電の導入コストは、36万3千円と見積もられています。太陽光パネルだけでなく、架台やパワコンなどの電装機器、工事費などを含みます。

平成28年度調達価格及び調達機関についての委員会案(太陽光 10kWh未満) - 経産省地歌津価格等算定委員会

単純計算で、いま太陽光発電システムを導入すると、初期コストは、
363,000円 x 4.7kWh = 1,706,100円 となります。

メーカーのサイトではもっと高額のプラン例も出ていますが、実際に設置工事を行う会社から見積もりを取り寄せてみれば、経産省調査データに近い額が得られることと思います。(ただし、新製品や、モジュールの設置数が3kWh未満と少ない場合は割高になります。)

170万円といえば、3人世帯であれば、12年半分の電気代4人世帯なら12年分の電気代に相当するので、メンテコストなどを考えても、売電収入がなくても、これで蓄電池さえあれば電気代がほとんどかからなくなるので、元がとれそうです。(蓄電池は2015年度の補助金を使えば自己負担が100万円弱ぐらいでしたが、今後、その半額以下の製品が主流になりそうです。)

一般に、太陽光パネルの寿命は20年以上で、最近では25年の出力保証が主流になりつつあります。蓄電池も、タイプによっては同じくらい長寿命です。メンテにより半永久的に使える場合もあります。

となると、20~25年間、ほとんど電気代を払わなくていいのであれば、メンテコストも入れて現在の年間電気料金の20~25倍以内に収まるなら、買ってもいいということになります。(ローンの場合は支払い利息分も含めての計算が必要。)

でも、今後もっと性能がいい安価なモデルが開発されるでしょうから、思い切って導入に踏み切れるのはせいぜい10年分の電気代相当。多めに見ても15年分でしょうか。

ここでは3~4人世帯を中心に必要な電力量や料金を見ていきましたが、単身世帯や2人世帯でも今後もずっと参考になると思います。(データはアップデートしていきます。)世帯規模が大きくなるほどお得になるのは、一般家電製品や住居費と同様です。

単身世帯も集合住宅も増え続けますから、この市場を埋める製品を出す新興企業のイニシャティブが期待されます。実際、蓄電池では変革が起き始めました。

なお、参考までに、ガスや灯油など、電気以外の光熱費にどれくらい支出しているかもデータを表示しておきます。

世帯人数別の光熱費(総務省2015年のデータ)

ガスは季節によっても替わりますが、月額の平均値でみると、電気代の40~58%となり、光熱費の中で26~34%を占めます。暖房やガスコンロの他に、給湯が大きいと思われます。電気は熱を作ることには非効率なので、太陽熱温水器やペレットストーブなどに置き換えることで、化石燃料依存を減らすことができ、また長期的にはそのほうが光熱費も安くなります。

(IHクッキングヒーターやエコキュートは敢えて想定していません。)

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